マインドフルネスダイエット

マインドフルネスダイエットは、マインドフルネスを通じて自分の食欲やストレスをありのままに観察し、受け入れることによって、無意識に食べ過ぎないようにするダイエットです。

ここでは、そのやり方を説明します。

1. 食事制限や運動は長続きしない

私は太りやすい体質で、これまでいろいろなダイエットを試してきましたが、どれも長続きしませんでした。

食事を制限したり、運動を行うダイエットをやっていたのですが、仮に一時的に成功しても、結局、その食事制限をやめてしまったり、怪我などで運動ができなくなると、また太っていってしまうのです。

これまで私が試してきたダイエットの方法、次のとおりです。

ダイエット法やり方続いた期間と効果
朝ごはんダイエット夕食はできるだけ控えて、朝食は無制限に食べる。半年ぐらい続く。ある程度、効果はあったが、残業が増えると夜の空腹に耐えられず、結局続かなかった。
低炭水化物ダイエット炭水化物は、できるだけ食べない。肉や野菜は無制限に食べる。1年ぐらい続く。その期間は体重管理ができていたが、家計の負担になるのでやめてしまった。
総カロリー制限ダイエット一日の摂取カロリーを計算して、制限内に抑える。半年くらい続く。ある程度効果があったが、カロリーの計算が面倒になって、いつの間にか、やらなくなった。
水泳ダイエット水泳を1時間、週に3回行う。5年くらい続く。ダイエット効果はある程度あったと思う。肩を痛めてやめてしまった。
ランニングダイエット週末30分走る。2か月くらい続く。膝を痛めてやめてしまった。効果は不明。

swimming-diet

ところが、減量のためにやったわけではないのですが、マインドフルネス瞑想をやるようになってから、いつの間にか、学生時代の体重にもどって、その後、太らなくなりました。これが10年以上続いています。

このマインドフルネス瞑想による方法では、自分の食欲やストレスなどを、ありのままに観察し、受け入れることから始めます。練習が必要ですが、決して難しいことではありません。また、一旦、この方法を身につけると、マインドフルネス瞑想を続ける限り、効果が続きます。途中で途切れたとしても、またすぐに再開できます。

過剰なストレスは、食べ過ぎだけではなくて、飲酒やうつなど、様々な問題を引き起こしますが、このストレスを減少させ、対処を学ぶことができます。

ここでは、マインドフルネスを活用したダイエットを「マインドフルネスダイエット」と呼んで、その方法を説明します。

2. マインドフルネスダイエットのやり方

2-1. まず、「食べる瞑想」の練習

食べる瞑想の目的は、五感を使って食べ物を観察することによって、「今、ここ」で起こっていることに気付くことです。このことをマインドフルネスといいます。やり方、以下の通りです。

  1. まず、干しブドウを2粒、用意します。代わりに小さなお菓子でも構いません。
  2. 一粒目を手に取って、自分の目でできるだけ詳しく観察します。時間をかけて、まるで、「火星人が地球にやってきて初めて干しブドウを見る時のように」、干しブドウを新鮮な気持ちで、初めて見る物体として扱います。表面のしわとか、色とか、光の反射具合とか、できるだけ詳しく観察します。
  3. 次に、指で触った感覚を観察し、耳の近くにもっていって音を観察します。音は聞こえないですが、耳の近くに持ってきて指で転がすと、かすかに音がします。
  4. さらに、においをかいで、唇に乗せて、口の中に入れて、歯の間に乗せて、噛んで、飲み込みます。このそれぞれの過程で、時間をかけて、五感で感じることを、できるだけ詳しく観察します。
  5. 途中で、心の中に、「なんで私こんなことをやっているのだろう」とか、「早く食べてしまいたい」とか、「もっといっぱい食べたい」とか、いろいろな考えが起こってきたら、自分の心にそのような考えや感情が起こっていることに気が付いて、自分の意思で「物体」の観察に戻ります。
  6. 残ったもう一粒も同じ要領で観察します。

raisin

2-2. 食事の時に「食べる瞑想」を取り入れる

次に、普段の食事の時やおやつの時にも、この「食べる瞑想」を取り入れます。

食事の間ずっと「食べる瞑想」をやると時間がかかりすぎるので、最初の一口か二口だけでも、ゆっくりと時間をかけて、色やにおい、口に入れた感覚、味、歯ざわり、のどを通っていく感覚を観察します。

その時に、自分の心の中に「もっといっぱい食べたい」とか、「早く口に入れたい」、「早く食べ終わりたい」といった考えや苛立ちの感情が起こってくれば、そちらも観察します。

「ダイエットに成功したい」という気持ちが起こってくれば、これも観察します。

この時に、自分の心に対して、やさしい気持ちと好奇心を持つことがコツです。様々な考えや感情が起こるのは心の現象ですから、これを、ありのままに受け入れましょう。もし、自分を責める気持ちが起こってくれば、好奇心を持って、その自分を責める気持ちを観察しましょう。

もし、無意識のうちに早食いしてしまったり、食べ過ぎてしまったときには、その時の気持ちや身体の感覚を観察します。食べ物が食道を通っていく感覚、お腹がいっぱいになった感覚、自分を責めようとする気持ちなどがあれば、ありのままに、好奇心を持って観察しましょう。科学者が実験対象を観察するような感覚です。

3. なぜ、マインドフルネスがダイエットに効くのか

3-1. 食事への満足感

まず、「食べる瞑想」を食事に取り入れると、食事の最初にゆっくりと味わって食べるようになるので、少量でも満足感が得られやすくなります。

このように五感で観察しながら食べると、食べ物がとてもおいしく感じられます。

3-2. 「早く食べたい」、「もっと食べたい」衝動の観察

食べる瞑想をすると、「早く食べたい」、「もっと食べたい」といった衝動に気が付いて、これらの衝動を観察することができるようになります。そうすると、無意識のうちに衝動にかられて食べてしまうのではなく、そのような衝動に対して、次第に、意識的な対処ができるようになります。

3-3. 自分へのいたわり

マインドフルネスでは、自分の身体や心をありのままに観察しますが、その過程で、自分に対するやさしい気持ちと好奇心を育てていきます。

そうすると、自分の身体をいたわることができるようになり、過食を慎み、身体によいものをちょうどよい分量食べるように心がけるようになります。

3-4. ストレスへの対処

仕事や私生活で大きなストレスがかかっていると、それから一時的に逃れるために、気持ちよくなるための物質(ドーパミン)を脳内で放出しようとする行動を取ることがあります。食べ過ぎもその一つです。

このことが習慣化すると、ストレスがかかるたびに、お腹がすいていなくても何か食べたいという欲望が生じるようになります。しかも、この習慣は、無意識のうちに、どんどん強化されていきます。

craving-loop

マインドフルネス瞑想を続けることによって、ストレスから逃れたいという気持ちと食べ物への欲求、不健康で無意識な対処に気が付いて、ストレスに対する意識的な対処ができるようになっていきます。

4. まとめ

マインドフルネスダイエットは、マインドフルネス瞑想のうち、特に「食べる瞑想」を活用したものです。

自分の食欲やストレスをありのままに観察し、受け入れることにより、無意識に食欲にかられて食べるのではなく、意識的に対処できるようになります。

また、過食の原因となる過剰なストレスに対処する方法も身につけることが可能です。

マインドフルネス瞑想を効果的に身につけるためには、マインドフルネスストレス低減法 (MBSR)のコースを受講されることをお勧めします。