うつ病とマインドフルネス

私の場合は

私は10年以上前に仕事で大きなストレスを抱えたことがありました。まず、夜眠れなくなり、それから、心に常に不安を抱えるようになって、さらに、自分の不幸を呪い、世の中を呪って、死にたいと思うこともありました。

自分でも心配になってメンタルクリニックで診察をうけると、軽いうつ病と診断され、薬を処方されました。これがマインドフルネス瞑想を本格的に始めるきっかけになりました。

自分の場合は、薬を服用することで、眠れるようになりました。また、マインドフルネス瞑想をやったおかげで、あの時のようなうつ症状になることは、その後ありませんでした。

うつ病が疑われるときには専門の医師に

うつ病が疑われる場合は、まず、専門の医師にかかることをお勧めします。なんの病気なのか診断してもらう必要がありますし、それに応じて投薬などの治療が必要になるかもしれないからです。

マインドフルネス瞑想は、医師と相談してから、試してみることをお勧めします。

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なぜマインドフルネスがうつに効くのか

自分の経験から、マインドフルネス瞑想がうつに効く理由は、2つあると思います。

「今、ここ」に集中する

まず最初の理由は、「今、ここ」に集中しているとき、たとえば、呼吸に集中しているときには、過去のつらかったことや将来の心配のことを考えずにすむことだと思います。

つらい思いを感じる時には、2つの種類があります。

  1. つらいことが実際に起こっている時。
  2. 過去のつらかったことを思い出したり、また起こらないか心配している時。

つらいことが実際に起こっている時につらい思いをするのは、ある程度、仕方がないことですね。

しかし、それを後で何回も思い出したり、また起こるのではないかと心配してつらい思いをする必要はないのです。うつの状態の時は、これを一日中繰り返しています。

マインドフルネスの練習をすることによって、過去のことを思い煩い、まだ来ない将来のことで不安になっている自分の心に気が付いて、「今、ここ」に戻ってくることができるようになります。

自分の身体や心に対して優しい気持ちと好奇心を育てる

次に、マインドフルネス瞑想がうつに効果がある理由として、マインドフルネス瞑想の練習を通じて、自分の身体や心に対してやさしい気持ちと好奇心を持つことができるようになることが挙げられます。

うつ状態の時には、自分や他人を責めたり、人生がつらいと感じたり、将来が不安になったりということを一日中やっています。

シャウナ・シャピロ博士*によると、人間の脳には可塑性があって、「普段練習していることが強化される」そうです。つまり、うつ状態が続くと、自分を責めたり、つらいと感じたり、不安を感じる能力がどんどん強化されてしまいます。

マインドフルネス瞑想では、自分の身体や心をありのままに観察します。このためには、自分の身体や心に対するやさしい気持ちや好奇心が必要です。マインドフルネスの練習を繰り返すことによって、自分の身体や心に対するやさしい気持ちや好奇心が強化されます。

やさしい気持ちや好奇心が強化された脳の方が、自分を責めたり、不安を感じることを強化された脳よりも、ストレスや試練への対処がやりやすいのだと思います。

*The Power of Mindfulness by Shauna Shapiro

科学的な根拠

これまで、いくつかの調査で、マインドフルネスをベースとしたプログラムが、うつに効果があることが証明されています。

以下に、アメリカの国立衛生研究所のウェブサイトに掲載されている論文の概要を紹介します。

退役軍人のうつが軽減した例

マインドフルネスストレス低減法 (MBSR) のコースに参加した79人の退役軍人のコース参加前と参加後を調査したところ、参加後は、不安、うつ、自殺念慮が著しく軽減しました。身体の痛みの強度や身体的な健康の改善はこの期間、見られませんでした。

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韓国の看護学校の例

韓国で50人の看護学校生徒を対象に調査したところ、MBSRを受講したグループは、そうでないグループと比較すると、うつ、不安、ストレスの症状が大幅に改善し、マインドフルネスが向上したました。

マインドフルネスを身につけるには

科学的に実証された方法で効果的にマインドフルネスを身につけるには、マインドフルネスストレス低減法(MBSR) の8週間のコースに参加されることをお勧めします。

日本で受講可能なマインドフルネスストレス低減法 (MBSR) のコースは、下のリンクをご参照ください。

日本で受講可能なマインドフルネスストレス低減法 (MBSR) のコース