ボディスキャンであなたはどう変わるか?

ボディスキャンとは、身体の各部分の感覚をありのままに観察していく、マインドフルネス瞑想の一つの方法です。マインドフルネスストレス低減法(MBSR) の8週間のプログラムでは、このボディスキャンを最初の週に練習します。

ここでは、ボディスキャンの目的や方法をご案内します。

1. ボディスキャンの目的

多くの人は、自分の身体について、何らかの不満を持っています。例えば、もっと痩せたいとか、もっと健康になりたいとか、もっと若々しい身体でいたい、などです。

一方で、私たちの身体は素晴らしいものです。歩いたり、話したり、人を見分けたり、食べ物を消化したりします。そういうことができなくなって初めて、自分の身体のありがたさに気が付きます。

ボディスキャンの目的は、次のとおりです。

  • 今この瞬間の自分の身体をありのままに観察することによって、自分の身体と仲良しになること。さらに、自分の身体や心に対するやさしい気持ち、好奇心を育てること。
  • さまざまなマインドフル瞑想のために必要な集中力や忍耐力を養うこと。
  • 意識を身体の一点に集中させたり、身体全体に広げたりといった意識の柔軟性を養うこと。

これらは、他のマインドフルネス瞑想の習得やストレスの低減のためのベースとなります。マインドフルネスストレス低減法(MBSR) の8週間のコースでは、まず、ボディスキャンを毎日、45分間、自宅で練習します。

2. ボディスキャンの準備、注意事項

2-1. 場所と時間の確保

ボディスキャンをやるには、まず、自宅で一人だけで、横になれる場所を確保します。布団やベッドのように柔らかすぎると寝てしまうので、カーペットの床やヨガマット、毛布の上がよいでしょう。必要に応じて、頭の下や膝の下にクッションやまくらを置きます。

できるだけ暖かいところでやるのがよいでしょう。途中で寒くなりそうなときは、毛布などをあらかじめ手の届くところに用意しておきます。

2-2. ありのままの感覚を観察

身体の各部分を観察しようとするときに、何も感じない部分があるかもしれません。そのようなときは、「何も感じない」ということを観察します。

感覚を得るために無理に身体を動かしてみる必要はありません。

「もっと鋭い身体感覚を得たい」とか、「何も感覚がないのは許せない」という気持ちが心に現れたら、心はそういう働きをするものなので、まったく問題はないのですが、そのような自分の心を、優しい気持ちと好奇心を持って、観察して、ボディスキャンに戻ります。

2-3. 眠ってしまう時の対策

慣れるまでは、横になってボディスキャンをすると、眠たくなって寝てしまうことがよくあります。

眠ってしまうとボディスキャンの練習にはならないので、できるだけ起きているように努力しましょう。

睡眠不足が原因のときは十分に睡眠をとるようにします。他に、以下の方法を試してみるといいでしょう。

  • 横になる代わりに、椅子に座る、あるいは、立ってボディスキャンを行う。
  • 目を開いてボディスキャンを行う。
  • ひじから先の手を天井の方向に持ち上げて、ボディスキャンを行う。

2-4. いつの間にか別のことを考えている

ボディスキャンの音声ガイダンスを聞いている最中に別のことを考えてしまっていて、気が付いたら、ガイダンスを聞いていなかった、ということもよくあります。

別のことを考えていることに気が付いたときは、マインドフルネスを練習するいいチャンスです。別のことを考えていた自分の心に優しい気持ちと好奇心を持って接し、イライラせずに、ボディスキャンの練習に戻ってきます。音声ガイダンスがその時に指している身体の部分から再開しましょう。

自分の身体の各部分に親しみや興味をもってボディスキャンをすると、ボディスキャンに集中しやすいです。自分でいろいろ工夫してみましょう。

3. ボディスキャンの方法

3-1. 音声ガイダンス

まず、マインドフルネスストレス低減法(MBSR) の講師の音声ガイダンスを聞いて、それに沿って実施するとよいでしょう。慣れたら、音声ガイダンスなしで、やってみます。しげまるによる音声ガイダンスのリンク、下のとおりです。

ボディスキャン 音声ファイルダウンロード

3-2. 姿勢

通常、カーペットやヨガマット、毛布の上に横になって実施します。腰が痛い人は、両足を椅子の上に乗せた姿勢(宇宙飛行士のポーズ)がやりやすいかもしれません。

眠くなってしまう人は、椅子に座って、あるいは、立った姿勢でやっても構いません。

3-3. ボディスキャンの順番

MBSR の講師によって、違いはありますが、概ね、45分間のボディスキャンは、次の順序で行われます。

  1. 身体全体の感覚の観察
  2. 呼吸の観察
  3. 意識を左足の親指に移して、左足の親指の観察、続けて、その他の指、足の裏、かかと、足の甲、足首、脛、ふくらはぎ、膝、太ももをそれぞれ観察。
  4. 意識を広げて、左足全体を観察。
  5. 意識を右足の親指に移して、右足親指の観察。
  6. 左足と同様に右足の各部分と右足全体を観察。
  7. 胴体の各部分と胴体全体を観察。
  8. 両手の各部分と両手の全体を観察。
  9. 頭部の各部分と頭部全体を観察。
  10. 身体全体を観察。

4. まとめ

ボディスキャンは、自分の身体の各部分を観察して、それをありのままに受け入れ、自分自身に対する優しい気持ちを育てるために行います。

ボディスキャンは、他の各種マインドフルネス瞑想の練習のベースとなるものです。ただし、一人だけで独習するのは難しいかもしれません。

ボディスキャンを学び、マインドフルネスを身につけるには、マインドフルネスストレス低減法(MBSR)の8週間のコースに参加されることをお勧めします。

日本で受けることができるコースは、下のリンクの通りです。

日本で受講可能なマインドフルネスストレス低減法(MBSR) の8週間コース